成長期のアスリートにとって、毎日の食事は単に空腹を満たすだけのものではありません。日に日に大きくなる身体は食べたものから作られます。特に成長期に意識すべき栄養素は「タンパク質」と「カルシウム」です。ここでは、それらが、なぜ必要で、どのくらい摂取すべきか、具体的にお話ししていきます。
なぜ成長期の子どもは特別な配慮が必要なのか
大人の体は、基本的に現状維持が目標です。対して子どもの体は「現状維持」に加えて「成長」という2個目の目標を抱えています。そのため、体の大きさ当たりに必要な栄養素の量は大人以上に多くなります。
例えば、体重40kgの子どもは、体重60kgの大人と同じくらいのタンパク質を必要とします。40kgの体重を維持しながら、さらに50kg、60kgへと体を大きく成長させる必要があるからです。
またアスリートは、食事で必要とするタンパク質が多くなることが知られています。成長期のアスリートにとって、毎日のタンパク質摂取がどれだけ大事かは想像に難くないと思います。カルシウムも然りです。
タンパク質とカルシウムの特徴と必要量
これらの栄養素が重要視される理由は、以下のとおり
- 筋肉の主成分はタンパク質、筋肉の神経伝達にはカルシウムを使う
- 骨の主成分はカルシウムとコラーゲン(タンパク質)から構成
- 両栄養素とも筋肉や骨の形でしか体内に貯蔵できない
- 不足時は筋肉や骨を分解して生命活動に利用される
だから、不足させちゃダメなんです!せっかく大きくなった筋肉を、骨を守らなければならないのです。
タンパク質は、体重×1.5〜2gを目安にしてください。一食でまかなおうとせず、3食と補食に満遍なくタンパク質を入れるのが効果的です。
(参照)https://life.saisoncard.co.jp/health/longevity/post/h5
カルシウムは、1日1000mg程度を目安にしてください。牛乳はカルシウムが豊富ですが、1000mgとなると約1リットル必要となり、毎日摂るのは現実的ではありません。さまざまな食材から無理なく摂取するようにしましょう!!
(参照)https://www.jpof.or.jp/osteoporosis/nutrition/calcium.html
実践的な食事プランのための「Better is the Best」
食事は1日では効果が期待できません。数週間、数ヶ月、数年間と継続することが必要です。そして継続のためには完璧(Best)な食事を目指すよりも、継続可能な「Better」な選択を積み重ねることが大切です。
食事には「からだの栄養」と「こころの栄養」の2つの側面があります。完璧な食生活にこだわるあまり、お子さんも、サポートする親御さんも疲弊しているパターンをよく目にします。あえて70点を目指して継続を意識することは、100点を目指して挫折するよりも遥かに価値があります。
まとめ
毎日の食事で「タンパク質」と「カルシウム」が十分か意識しながら、家族で楽しい食事の時間を過ごすことが、成長期のアスリートにとって最も重要です。一度にすべてを変える必要はありません。できることから、少しずつ始めていきましょう。その積み重ねが、必ず強いからだづくりにつながっていきます!!
この記事のAIまとめ
・成長期の子どもは「現状維持+成長」が必要で、体重40kgの子どもは体重60kgの大人と同量のタンパク質が必要
・タンパク質とカルシウムは体内に貯蔵できず、不足すると筋肉や骨を分解して補うため、毎日の摂取が重要
・タンパク質は体重×1.5〜2g、カルシウムは1日1000mgを目標に、様々な食材から摂取する
・完璧な食事(Best)より、続けられる良い食事(Better)を選択し、70点を継続することが大切
・「からだの栄養」と「こころの栄養」の両立を意識し、家族で楽しい食事時間を過ごすことが成長期には重要