アスリートにとって「エネルギー補給」は、パフォーマンスを最大限に引き出すため、疲労回復・怪我の防止に非常に重要です。しかし近年「炭水化物は体に悪い」「太りやすい」などのイメージが広がり、避ける方も増えています。
特に、成長期のアスリートにとって炭水化物はエネルギー源として欠かせない栄養素です。ここでは、エネルギー補給のポイントと、炭水化物をいつ、どのように摂取するかの具体的な例をご紹介します。
1. なぜ炭水化物が重要なのか?
炭水化物は、アスリートが動き続けるための重要なエネルギー源です。運動中は筋肉や脳が大量のエネルギーを消費します。炭水化物を食べるor食べないは、競技のパフォーマンスに大きく左右します。加えて激しいトレーニングや試合が続くときには、筋肉のエネルギー(グリコーゲン)を迅速に補うために炭水化物が必要不可欠です。
2. 炭水化物の種類と使い分け
炭水化物には「小さな炭水化物」と「大きい炭水化物」があります。小さな炭水化物(フルーツ、砂糖など)は素早くエネルギーに変わるので、朝練や午後の練習前などの運動直前に摂るのが理想的です。一方、大きな炭水化物(お米、麺、さつまいも、全粒粉パンなど)は消化に時間がかかるため、エネルギーがゆっくり供給されます。これは、昼食や練習後の食事に取り入れると安定したエネルギー補給が期待できます。
3. 理想的な1日の炭水化物摂取スケジュール(高校生アスリートの場合)
ここでは、朝練と夕方の練習がある16歳高校生の1日を想定し、どのタイミングでどんな炭水化物を摂るのが良いかを紹介します。朝7時から8時まで朝練、日中は学校、16時半から19時まで練習を想定しています。
朝練前(6時半頃)
おすすめの食べ物:バナナ、白米のおにぎり、エナジーゼリー
目的:短時間で消化できる炭水化物でエネルギー補給を行うこと。朝早く食欲が湧かない場合は、軽めのものを摂るだけでもOKです。
朝練後の朝食(8時頃)
おすすめの食べ物:全粒穀物パン、白米、オートミール、フルーツ(りんごやベリー類)、ヨーグルト
目的:消耗したエネルギーを補い、午前中の学校生活の集中力をサポートします。炭水化物に加え、卵やヨーグルトなどのタンパク質も取り入れることで、疲労回復も期待できます。
昼食(正午頃)
おすすめの食べ物:お米や麺などの主食、鶏肉や豆類、野菜たっぷりのサラダ
目的:午後の授業と夕方の練習へのエネルギー備蓄を行います。炭水化物と食物繊維を両方摂ることで、ゆっくりと体にエネルギーを供給でき、満腹感も持続します。
午後の練習前(15時半頃)
おすすめの食べ物:フルーツ、エナジーゼリー
目的:練習中のエネルギーをキープし、持続力を高めるための軽い補食。脂肪分が少なく消化が早いものを選びましょう。フルーツやエナジーゼリーなど、手軽に摂れる炭水化物が最適です。
練習後の夕食(19時半頃)
おすすめの食べ物:白米またはパスタ、焼き魚や鶏肉、温野菜、味噌汁
目的:練習で消耗したエネルギーと栄養をしっかり補うための食事です。炭水化物でグリコーゲンを補給しつつ、筋肉の回復を促すためにタンパク質やビタミン・ミネラルも合わせて摂取しましょう。
まとめ
炭水化物は単にエネルギー補給だけでなく、成長期のアスリートの成長と怪我予防に関わる重要な栄養素です。食事の量やタイミングを工夫し、練習前や後に適切な炭水化物を摂ることで、エネルギー不足による集中力の低下や疲労を防ぎます。また、アスリート自身が自分に合った食事法を見つけることも大切です。ぜひ炭水化物を上手に取り入れたエネルギー補給を意識してみてください!