読者の中でダイエットを経験したことない方は、かなり少数だと思います。そして非常に残念なことに多くの方は、思うような成果が出せずダイエットに挫折した経験をお持ちではないでしょうか。原因は、色々あるんです。ただ、色んな方とお話してあまりにも有名なあの常識が原因ではないか?と思うようになりました。
「有酸素運動で脂肪が燃える」を勘違いしていませんか?
ダイエットに挫折してしまう大きな原因、勘違いされている有名な常識とは、「有酸素運動で脂肪が燃える」です。おそらくダイエット経験者なら誰もが聞いたことあると思います。
メチャクチャ有名なこの言葉の意味を勘違いしている人が、まぁ多い!!この言葉の真意を知れば、失敗するダイエットのどこが悪かったのか、みなさんにも納得頂けるハズです。
有酸素運動と無酸素運動のエネルギー源
人間がエネルギーを消費する運動には、2つの種類があります。
- 有酸素運動とは、ランニングなど低負荷長時間行う運動。脂肪をエネルギー源にする。
- 無酸素運動とは、筋トレなど高負荷短時間行う運動。筋肉中の炭水化物を主なエネルギー源にする。
ダイエットの王道と言えば、この内の有酸素運動なわけです。そこは間違いなくて確かに有酸素運動によって脂肪は燃焼されます。じゃあ、冒頭の勘違いの正体が何なのかというと、「脂肪は、炭水化物と一緒でないと燃焼しない」の情報が足りてないという点です。
運動と生活習慣病予防~運動時の糖質利用を踏まえて~
「有酸素運動時、糖質がないと脂質は燃焼しない」を示す論文は多数存在しますが、ここでは、独立行政法人農畜産業振興機構の記事をご紹介します。後半の病気予防の観点は、今回お話ししたいこととは違うので、無視してもらうとして、記事の中では以下のように示されています
以上のことから高い強度の運動を行った時や、比較的軽い運動でも長時間(1時間以上)行った時には糖質が減りますから、その補給が必要になります。糖質の摂取と利用のバランスが重要なわけですから、運動により糖質を使えば必然的に糖質の補給を多くする必要があるわけです。逆に考えますと、少し極端かも知れませんが十分運動をすれば糖質摂取の制限も考える必要が無くなり、好きなものを食べられることにもなります。また、前述の知織から、例えば脂肪を減らしたいと思えば、比較的軽い運動(強度に関連)を長時間(時間に関連)行い、それを長期間継続する(トレーニング状態に関連)ことが大切だということも分かります。
図においてもエネルギー出力において、炭水化物は最低でも50%までしか低下しない(どの強度の運動でも糖質がエネルギーとして使われる)ことがわかります。
(参照:https://sugar.alic.go.jp/japan/view/jv_0508a.htm)
脂肪を燃焼させたかったら、糖質・炭水化物を食うべし!食うべし!!
以前、食生活の相談に来られたプロボクサーの方は、減量に悩んでいました。
「何も食べず有酸素運動しているのに体重が減らない」「これ以上何をしたらいいかわからない」とギリギリの状態でした。色々話していく内にすぐにピンときました。このボクサーさんは、炭水化物が不足しているために脂肪が燃焼していたのです。
炭水化物は、脂肪を燃焼させるのに絶対必要なんです!!
炭水化物を抜きながら、有酸素運動で脂肪を燃焼させるのはメチャクチャ非効率なんです!!
折角、ご飯我慢して
折角、長時間有酸素運動して
でも、その折角のせいで効率が落ちている。
これじゃ「これ以上何をしていいかわからない」とギリギリの状態になってしまうプロボクサーの気持ちも、成果が出る前にダイエットに挫折してしまう多くのダイエッターの気持ちもよくわかります。
じゃあ、どうすればいいのか?
適切なタイミングに適切な炭水化物を取ることが大切です。
件のプロボクサーさんは、「有酸素運動の前にアメを食べる」「間隔を開けすぎず炭水化物を少量づつ撮り続ける」「朝食でしっかり炭水化物をとって夜に向かって減らしていく」などの炭水化物コントロールによって有酸素運動の脂肪燃焼効率が爆上がり、2ヶ月で10キロもの減量に成功しました!!
忘れちゃいけないのは、彼は元々の運動量が桁外れだったこと。食事制限だけでここまで体重が落ちることは、ほとんどありませんし、目指さないでください。
今回覚えておいて欲しいのは、せっかくの我慢や努力もダイエットの効率を下げることがあるってこと。アスリートであればパフォーマンスにも直結するので、無理なダイエット、減量にはご注意ください。
この記事のAIまとめ
・無理な食事制限はダイエット効率を下げ、長時間の有酸素運動でも効果が出ない場合があるため、バランスよく炭水化物を摂ることが大切
・有酸素運動だけでは脂肪は効率よく燃焼せず炭水化物がなければ効果が減少します。
・「有酸素運動で脂肪が燃える」という言葉はよく聞かれますが、炭水化物との組み合わせが必要である点を多くの人が見落としています。
・無酸素運動は炭水化物、有酸素運動は脂肪をエネルギー源にしますが、どちらも炭水化物の存在が重要です。
・ダイエットや減量には、適切なタイミングでの炭水化物摂取が不可欠で、脂肪の燃焼効率が向上します。