今回は、アスリートのパフォーマンス向上と怪我予防の両面で重要な強い骨を作る食生活についてです。骨=カルシウムのイメージは間違っていないのですが、より効率を追求するなら、プラスで必要な栄養素があることや、成長期や性別によってカルシウム吸収率に差があることをお話しします。
アスリートにとって骨の健康が重要な理由
アスリートにとって骨を強くすることは、単に怪我の予防になるだけでなく、パフォーマンスの向上にも直結します。強い筋肉をつけてその効果を競技で発揮するには強い骨が必要不可欠ですし、運動能力の高いアスリートは相対的に骨が強い傾向があります。
これは運動による骨への刺激が影響しているからですが、一方で練習などで多くのエネルギーを消費するアスリートは骨粗鬆症のリスクが多い側面もあります。
成長期の骨の成長は、一生もの
アスリートに限らず、成長期の子供たちは骨量が一気に増えていきます。個人差はありますが、男性も女性も成長期を経て、20歳前半で骨量が最大となります。そして残念ながら骨の成長は20代で止まって、あとは減るばかりです。
そのため、成長期の間は一生使う骨量を少しでも増やすため、そして20代以降は減っていく骨量の減少スピードを遅くするため、適切な栄養摂取と運動がとても大事なわけです。
骨を強くする大切な栄養素たち
骨を強くするのに必要な栄養素は、みなさんご存知カルシウムです!これは骨の主成分として欠かせません。でも実は、タンパク質もメチャクチャ大事。骨の構造を支えるコラーゲンは、骨全体の20%を占めていて、タンパク質から作られます。
さらに、ビタミンDとビタミンKも骨の健康には大切な役割を果たしているんです。それぞれの栄養素を少し詳しく説明していきます。
カルシウム:骨の主役!
アスリートや成長期の方は、一般の人より多めのカルシウムが必要です。特にハードなトレーニングを行うアスリートは、1日1000-1500mgを目標にしましょう。乳製品、小魚、緑黄色野菜を積極的に食べてください。
男女で違う!カルシウムの吸収力
カルシウムの吸収力には男女差があります!成人期の女性は、同じ年齢の男性よりカルシウム吸収率が高いです。これは女性ホルモンの「エストロゲン」の作用。
この事だけなら女性の方がカルシウム摂取に有利な気もしますが、気を付けてほしいこともあります。激しいトレーニングや急な減量で体のエネルギーが不足するとエストロゲンの分泌が減って、せっかくの吸収力が落ちてしまうんです。女性は筋力が男性に比べ低く、骨を強くするための外からの刺激が少ないです。そのためカルシウムの吸収をホルモンの作用に頼っている面があるので「エストロゲン」不足は要注意です。
タンパク質:骨と筋肉の頼もしい味方
タンパク質は、筋肉だけでなく骨も作ってくれる素晴らしい栄養素です!アスリートの方は体重1kgあたり1.2-2.0gが目安です。成長期はもっと必要かもしれません。お肉、お魚、卵、お豆腐など、好きな食材を選んでたっぷり食べましょう。
ビタミンD:カルシウムの相棒
ビタミンDは、カルシウムの吸収を手伝ってくれる大切な存在です。口から摂取するだけでなく、日光を浴びることで体内で生成される珍しいビタミンです。お魚や卵を食べたり、お散歩がてら日光浴するのもいいですよ。
ビタミンK:骨を作るサポーター
ビタミンKも骨作りを応援してくれます。納豆や緑の野菜に多く含まれているので、毎日の食事に取り入れてみましょう!
最後に
激しいトレーニングを行い、エネルギーを使うこと、汗を流すことは、時に骨の成長、維持にネガティブに働きます。だからこそ激しいトレーニングと骨の健康を両立するために食生活はメチャクチャ大切です!骨は毎日、破壊と再生を繰り返しています。毎日の積み重ねを意識して、自分に合った食生活を続けていきましょう。
この記事のAIまとめ
・骨の健康はアスリートのパフォーマンス向上と怪我予防に重要で、特に成長期の骨量増加は一生を左右する
・骨を強くする主要な栄養素は、カルシウム、タンパク質、ビタミンD、ビタミンKの4つ
・カルシウムの吸収率には男女差があり、女性はエストロゲンの影響で吸収率が高い
・アスリートは一般人より多めの栄養摂取が必要で、カルシウムは1日1000-1500mg、タンパク質は体重1kgあたり1.2-2.0gが目安
・激しいトレーニングは骨の健康にネガティブな影響を与えることがあるため、適切な食生活との両立が重要